個人事業主の確定申告に必要な書類とは?準備方法や注意点を解説

個人事業主が確定申告を行う際には、所得や経費を証明するさまざまな書類の準備が欠かせません。書類の不備や漏れがあると、申告内容が正しく認められなかったり、最悪の場合追徴課税の対象になることも。
本記事では、確定申告に必要な書類の種類をはじめ、その集め方や保管方法、注意すべきポイントまでをわかりやすく解説します。初めての申告でも安心して準備を進められるよう、実務に役立つ情報をお届けします。
個人事業主の確定申告に必要な書類とは?

個人事業主として活動していると、毎年避けて通れないのが「確定申告」です。確定申告には数多くの書類が必要で、書類の不備や不足は申告の遅延やペナルティの原因にもなります。本記事では、個人事業主の確定申告に必要な書類を中心に、その目的や申告の種類、書類の違いについてわかりやすく解説します。
確定申告とは?目的と必要性
確定申告とは、1年間の所得とそれにかかる所得税を自ら計算し、税務署に申告・納税する手続きです。個人事業主は、会社員と異なり源泉徴収されないため、自ら所得を申告しなければなりません。
この手続きの目的は、正確な所得金額と納税額を確定することにあります。確定申告を行うことで、所得税の過不足を調整し、払い過ぎていた税金の還付を受けることも可能です。また、住宅ローン控除や医療費控除など、各種の税額控除を適用するためにも確定申告が必要です。
特に個人事業主は、経費の計上や控除の活用によって節税が可能となるため、正しい確定申告と必要書類の準備は極めて重要です。
個人事業主が確定申告を行うべきケース
個人事業主は、原則として毎年確定申告を行う必要があります。以下のようなケースに該当する場合は、必ず確定申告を行わなければなりません。
- 年間の所得が基礎控除(48万円)を超える場合
- 事業収入があり、経費を差し引いた後に所得が発生している場合
- 青色申告の承認を受けている場合(後述)
- 赤字を翌年以降に繰り越したい場合
また、たとえ所得が少なくても、住民税や国民健康保険料の算出に必要なため、確定申告をした方がよいケースも多くあります。
逆に、年間所得が基礎控除額以下で、扶養されているなどの条件を満たす場合には申告が不要となることもありますが、その判断は慎重に行いましょう。
青色申告と白色申告の違いと提出書類の違い
個人事業主の確定申告には、「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。どちらを選ぶかによって、提出する必要書類の内容や節税効果が大きく変わります。
白色申告の提出書類
白色申告は、申請不要で誰でも行える確定申告の形式です。提出書類は比較的シンプルで、主に以下が必要です:
- 収支内訳書
- 確定申告書B(第一表・第二表)
- 本人確認書類
- 控除に必要な証明書類
帳簿付けのルールが緩やかである一方、控除や節税の特典はほとんどありません。
青色申告の提出書類
青色申告は、事前に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出して承認を受ける必要があります。手間はかかりますが、最大65万円の青色申告特別控除や、赤字の繰越控除など、多くのメリットがあります。
青色申告で必要な書類は以下の通りです:
- 青色申告決算書(損益計算書・貸借対照表など)
- 確定申告書B
- 本人確認書類
- 控除の証明書類
また、複式簿記による帳簿付けと正確な帳簿保存が求められるため、会計ソフトの利用や税理士への相談が推奨されます。
参考:確定申告の必要書類とは?個人事業主が行うべき申告手続きも解説
【書類一覧】確定申告で必ず用意すべき基本書類

個人事業主が確定申告を行う際には、多くの「必要書類」を準備する必要があります。申告の形式が「青色申告」か「白色申告」かによって必要な書類が異なるため、まずは共通で必要な基本書類を確認し、その後にそれぞれの申告方式に応じた書類を揃えるのがポイントです。
この章では、「個人事業主が確定申告で必ず用意すべき必要書類」を体系的に解説します。
共通で必要な書類(青色・白色共通)
まずは、青色申告・白色申告を問わず、すべての個人事業主に共通して必要な書類を確認しましょう。これらの書類は確定申告を成立させるための基本書類であり、提出の際に必ず用意しておくべきものです。
確定申告書B(第一表・第二表)
「確定申告書B」は、すべての個人事業主が提出するメインの申告書類です。所得の種類にかかわらず使用されるため、事業所得がある場合には必須となります。
- 第一表では、収入や所得、控除額、税額などを記載します。
- 第二表では、所得の内訳や各種控除の詳細、源泉徴収税額などを記載します。
この申告書は、国税庁のウェブサイトや確定申告書作成コーナー、会計ソフトなどで作成・印刷できます。
本人確認書類(マイナンバーカードなど)
平成28年分以降の確定申告から、マイナンバー制度の導入により、本人確認書類の提出が必要になりました。次のいずれかのパターンで提出します。
- マイナンバーカードのコピー(表面・裏面)
- 通知カード+本人確認書類(運転免許証など)
- マイナンバー記載の住民票+本人確認書類
電子申告(e-Tax)を行う場合は、マイナンバーカードをICカードリーダーで読み取るか、マイナポータルアプリを使用することで本人確認が可能です。
銀行口座情報(還付金受取用)
所得税の計算結果により還付金が発生する場合には、銀行口座の情報を記載する必要があります。以下の内容を確認しておきましょう。
- 銀行名・支店名
- 口座種別(普通・当座)
- 口座番号
- 口座名義(カタカナ)
なお、金融機関の口座番号の記載ミスは還付の遅延につながるため、通帳やネットバンキングの画面で正確な情報を確認しておきましょう。
青色申告で必要な書類
青色申告は、最大65万円の「青色申告特別控除」をはじめ、赤字の繰越や専従者給与の経費算入など、税制上の多くのメリットがあります。その反面、提出すべき必要書類や帳簿管理において厳格なルールがあるのが特徴です。
青色申告決算書(損益計算書・貸借対照表など)
青色申告において最も重要な書類が「青色申告決算書」です。これは確定申告書Bに添付して提出する必要があり、以下の構成になっています。
1ページ目:損益計算書
売上や仕入、経費、利益などを記載します。
2~3ページ目:損益の内訳書
経費の具体的な内訳や、科目ごとの金額を記載します。
4ページ目:貸借対照表(B/S)
期末時点の資産・負債・資本の状況を記載します。
複式簿記による記帳と、適切な帳簿の保存が求められるため、簿記の知識がない場合は会計ソフトの導入がおすすめです。
さらに、青色申告を利用するには、事前に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出し、承認を得ておく必要があります。この書類は、原則として開業から2ヶ月以内、または申告を開始する年の3月15日までに提出します。
白色申告で必要な書類
白色申告は、青色申告のような特別控除は受けられないものの、手続きが簡単で帳簿付けのハードルも低いため、開業間もない個人事業主や副業として小規模に事業を行っている人に選ばれています。
収支内訳書
白色申告において、青色申告決算書の代わりに提出するのが「収支内訳書」です。この書類では、以下の項目を記載します。
- 収入金額
- 必要経費の内訳
- 売上原価
- 経費ごとの金額明細
- 利益金額
収支内訳書は、Excelで作成することも可能ですし、会計ソフトを使えば自動で作成することもできます。
帳簿の作成についても、2022年分以降は帳簿の保存義務が白色申告者にも適用されており、簡易帳簿(現金出納帳、経費帳、売上帳など)を7年間保存する必要があります。
青色申告・白色申告それぞれの提出書類は、国税庁の公式サイトや確定申告書作成コーナーからPDFで入手できるほか、会計ソフトを活用することでより効率的に準備できます。
次の章では、これらの基本書類に加えて「控除を受けたい場合に必要な証明書類」や「副業・複数収入源がある場合の追加書類」など、ケース別に必要な書類について解説していきます。確定申告をスムーズに終えるためにも、早めの準備を心がけましょう。
参考:確定申告の必要書類とは?【2025年】会社員・個人事業主のケース別に紹介
【ケース別】必要書類の追加パターン

個人事業主の確定申告では、基本的な提出書類に加えて、状況に応じて追加で必要となる書類があります。控除を受ける場合、副業収入がある場合、あるいは開業初年度など、それぞれのケースで求められる必要書類は異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
この章では、個人事業主が確定申告を行う際の代表的なケース別に必要な書類のパターンをわかりやすく解説します。
控除を受ける場合に必要な書類一覧
個人事業主が所得控除や税額控除を適用する場合には、それぞれの控除を裏付けるための「証明書類」が必要です。確定申告書に控除を記載するだけでなく、添付書類の提出または提示が求められるため、忘れずに準備しましょう。
医療費控除を受ける場合の必要書類
- 医療費控除の明細書
- 医療費通知(健康保険組合などから発行)
- 領収書(提示不要だが保管義務あり)
寄附金控除(ふるさと納税含む)を受ける場合の必要書類
- 寄附金受領証明書
- ワンストップ特例制度を利用していない場合は必須
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受ける場合の必要書類
- 住宅ローンの年末残高証明書
- 住宅の登記事項証明書
- 売買契約書や請負契約書の写し
- 初年度は住民票の写しなども必要
生命保険料控除・地震保険料控除を受ける場合の必要書類
- 保険会社が発行する控除証明書
控除を正しく適用することで、税負担を軽減できるだけでなく、還付金の金額も増える可能性があります。事前に必要書類を一覧にして、もれなく揃えておきましょう。
副業や2か所以上から収入がある場合
個人事業主としての収入のほかに、会社員として給与を受け取っている場合や、副業収入がある場合には、追加で収入証明書類の提出が必要です。
代表的な必要書類は以下のとおりです:
- 源泉徴収票(会社からの給与所得がある場合)
- 支払調書(報酬・料金・契約金などを受け取った場合)
※支払者が発行している場合に限る(提出義務はないが保管推奨)
これらの書類をもとに、確定申告書第二表の「所得の内訳欄」に正確な内容を記載します。特に会社勤めをしながら副業として個人事業を営む人にとっては、申告漏れが起こりやすいポイントなので注意が必要です。
また、複数の収入源がある場合には、所得の種類ごとに計算し、それぞれを合算して所得税額を算出する必要があります。
参考:【2025年向け】確定申告の必要書類・添付書類は? 準備するものをケース別にわかりやすく解説
開業初年度・2年目以降で異なる書類

個人事業主としての開業初年度や、青色申告の適用を開始する年度では、提出すべき書類に違いが生じることがあります。
【開業初年度に必要な追加書類】
- 個人事業の開業・廃業等届出書
税務署に提出。確定申告には添付不要だが、開業後早期の提出が望ましい - 青色申告をする場合:所得税の青色申告承認申請書
提出期限は原則として開業日から2ヶ月以内
【2年目以降で注意すべき書類】
- 前年の損失を繰り越す場合
純損失の繰越控除を適用するには、前年度分の確定申告を適正に行っていることが前提です。繰越額の確認書類や前年度の申告書控えなどを用意しておきましょう。 - 減価償却資産の明細書
設備投資を行っている場合は、資産の耐用年数や償却費を記載した明細書も必要になります。
開業から時間が経つにつれて、控除の内容や取引の複雑性が増すことも多いため、2年目以降は会計ソフトや税理士のサポートを活用して書類を整備するのがおすすめです。
確定申告に必要な書類は、「誰でも共通で必要なもの」と「人によって異なる追加書類」に大きく分類できます。控除を活用する場合や複数の収入がある場合など、自分のケースに当てはまる書類を早めに洗い出しておくことで、申告のミスや遅れを防ぎ、正しく節税効果を得ることができます。
次章では、これらの書類を「どこで入手し、どう準備すればよいのか?」といった具体的な収集・管理方法について解説していきます。
参考:個人事業主が行う確定申告とは?必要書類や納税方法について解説
書類の集め方と準備方法

確定申告で必要な書類は、集め方や準備の手順を事前に知っておくことで、提出期限間近に慌てることなくスムーズに申告を行えます。ここでは、個人事業主が確定申告のために必要書類をどこで手に入れ、どのように管理・準備すれば良いかを解説します。
書類はどこで手に入る?(税務署・市区町村・ダウンロード)
個人事業主が確定申告で使う書類の多くは、以下の方法で入手可能です:
- 税務署の窓口:確定申告書Bや収支内訳書、青色申告決算書などを紙で受け取れます。
- 市区町村の役所:一部の控除に必要な住民票や課税証明書などが取得できます。
- 国税庁の公式サイト:申告書類はPDFでダウンロード可能です。確定申告書作成コーナーを使えば、入力に応じて自動作成もできます。
- 金融機関や保険会社:年末調整用の控除証明書(住宅ローン、保険料など)が送付されます。
控除証明書は11月〜1月頃に届くことが多いため、郵送物はしっかり確認して保管しておきましょう。
日ごろからの帳簿・領収書管理のポイント
確定申告に向けて必要書類をスムーズに準備するには、日常的な帳簿管理と領収書の整理がカギです。
- 帳簿は毎日または週ごとに記帳し、記憶が新しいうちに入力を済ませましょう。
- 領収書やレシートは科目別・日付順にファイリングすることで、経費計上の際に便利です。
- 青色申告の場合、複式簿記での記帳と仕訳帳・総勘定元帳の保存が義務付けられます。
- 書類や帳簿は原則7年間の保存義務があるため、スキャンしてクラウド保存するなど、電子管理もおすすめです。
電子申告(e-Tax)で必要な書類と準備物
個人事業主がe-Tax(電子申告)を利用する場合、紙での提出に比べて一部の書類を省略できるメリットがあります。ただし、事前に以下の準備が必要です。
- マイナンバーカード(電子証明書付き)
- ICカードリーダー または マイナポータル連携用アプリ
- e-Tax対応の会計ソフト または 国税庁の申告書作成コーナー
電子申告では、源泉徴収票や控除証明書の添付が不要になる場合がありますが、税務署から問い合わせが来る可能性もあるため、書類の保管は必須です。
参考:確定申告の必要書類をご紹介!入手方法や事前に準備することの重要性をまとめて解説
確定申告の提出方法と注意点

個人事業主が確定申告をスムーズに完了させるためには、提出方法の選択と必要書類の添付ルールの理解、そして申告ミスの回避が非常に重要です。どんなに正確に書類を準備しても、提出方法を間違えたり添付漏れや記入ミスがあったりすれば、後日税務署から問い合わせが来ることもあります。
この章では、確定申告の主な提出方法とその特徴、添付が不要になった書類、そしてよくあるミスの対策について詳しく解説します。
提出方法の種類(持参・郵送・e-Tax)
個人事業主が確定申告書と必要書類を提出する方法は、主に以下の3つです。
① 税務署への持参
直接税務署へ行って提出する方法です。提出時に不備があればその場で指摘してもらえるメリットがありますが、確定申告期間中は非常に混雑するため、時間に余裕を持って行動しましょう。受付印を押してもらうことで控えとしての証明も残せます。
② 郵送での提出
税務署へ申告書類一式を郵送する方法です。書留や簡易書留での送付が推奨されており、郵送日(消印日)が提出日とみなされます。控えを返送してほしい場合は、返信用封筒(切手付き)と控えのコピーを同封しましょう。
③ e-Tax(電子申告)
オンラインで申告できる国税庁の「e-Tax」は、近年利用者が増えている提出方法です。マイナンバーカードやICカードリーダー、もしくはID・パスワード方式でのログインが必要になります。24時間提出可能で、還付が早く処理されるという利点もあります。
e-Taxを活用すれば、一部の書類の提出が不要になるほか、手続きも自動化され効率的です。パソコンに不慣れな人でも、freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトを使えば直感的に操作できます。
添付が不要になった書類とは?
以前は提出必須だった書類の中には、現在では添付が不要とされているものもあります。ただし、不要とはいえ「保管義務」があるため注意が必要です。
主な例は以下のとおりです:
- 源泉徴収票(給与・年金など)
提出は不要だが、自宅での保管が必要(5年間) - 支払調書(報酬などを受け取った場合)
提出は不要。内容は確定申告書の「所得の内訳」に記載 - 医療費の領収書
提出不要。代わりに「医療費控除の明細書」の提出が必要。領収書自体は5年間保存
また、e-Taxを利用する場合は、保険料控除証明書や住宅ローン残高証明書などの一部書類も提出省略が可能ですが、これも同様に税務署から求められた場合に備えて手元に保管しておく必要があります。
確定申告でよくあるミスと対策
個人事業主の確定申告では、毎年多くの人が同じようなミスを繰り返しています。ここでは、特に多い失敗例とその対策をご紹介します。
よくあるミス一覧と対策
- 必要書類の添付漏れ・記載漏れ
チェックリストを作成し、提出前に1枚ずつ確認を。e-Taxなら自動チェック機能も活用可能。 - 経費の計上ミス・科目の振り分け間違い
会計ソフトを使えば、自動仕訳で誤りを減らせる。領収書は項目ごとに整理・分類しておく。 - 提出期限を過ぎてしまう
毎年「2月16日~3月15日」が期限(2025年の場合は3月17日が締切)。カレンダーに記載し、余裕を持って準備開始を。 - 還付口座の記載ミス
銀行名や口座番号の記入間違いは、還付金の振込遅延につながる。通帳を見ながら正確に記入。 - マイナンバー関連のミス(記載漏れ・証明書忘れ)
確定申告書にはマイナンバーの記載が必須。本人確認書類のコピーも忘れずに添付(紙提出の場合)。
確定申告は、正しく行えば節税や還付金の受取など、多くのメリットがあります。しかし、手続きを誤ると損をすることもあるため、しっかり準備して余裕を持った提出を心がけましょう。
確定申告の必要書類に関するよくある質問

確定申告に関しては、書類の扱いや提出期限、保管期間について多くの疑問が寄せられます。特に個人事業主として初めて確定申告をする方にとっては、不安や戸惑いも多いものです。ここでは、よくある質問とその回答をまとめて解説します。
確定申告で提出が不要な書類も保管が必要?
はい、提出不要な書類であっても、保管義務があるものが多数存在します。たとえば、e-Taxを利用した場合や、制度の変更により提出が省略された書類でも、税務署から問い合わせがあれば提示を求められる可能性があります。
主な保管対象は以下のとおりです。
- 医療費の領収書
- 源泉徴収票や支払調書
- 控除証明書(保険料、住宅ローンなど)
- 各種帳簿・領収書・請求書
提出が不要=破棄して良い、ということではないため、確定申告後も整理して安全に保管しておきましょう。
提出期限に間に合わなかった場合はどうなる?
確定申告の提出期限(通常は3月15日)を過ぎると、延滞税や無申告加算税が発生するリスクがあります。さらに、青色申告特別控除の適用も受けられなくなる場合があるため注意が必要です。
ただし、還付申告であれば5年間の猶予があり、期限を過ぎても申告可能です。納付が必要な場合は、期限内の提出・納税が原則となるため、余裕をもって準備を進めましょう。
書類の保管期間は何年?
個人事業主が確定申告に関連して保存すべき書類の保管期間は、原則として以下の通りです。
- 帳簿類・領収書・請求書など:7年間
- 青色申告に関する書類(貸借対照表や損益計算書など):7年間
- 固定資産に関する書類(減価償却関連):その資産を使用している期間+7年間
- 控除証明書など:5年間(税務調査対応用)
書類を適切に保管することで、税務署からの問い合わせにも迅速に対応できるほか、翌年以降の申告時にも活用できます。
参考:確定申告の必要書類/添付書類まとめ【2025年版】会社員と個人事業主向け
個人事業主の確定申告の必要書類まとめ

必要書類は早めに準備しよう
個人事業主にとって、確定申告は1年の経理業務の集大成です。必要書類の準備を早めに行うことで、ミスを防ぎ、スムーズな申告が可能になります。控除や還付のチャンスを逃さないためにも、日常の帳簿付けや書類整理を怠らず、計画的に進めましょう。
青色申告なら特典も多く、提出書類にも注意を
青色申告は節税効果が高い一方で、提出すべき書類や帳簿の管理も厳格です。損益計算書や貸借対照表などの書類を正確に作成し、複式簿記に基づいた記帳を心がける必要があります。会計ソフトの導入や専門家への相談も有効な手段です。
確定申告を正しく行うことは、事業の信用力を高めることにもつながります。しっかりと準備を整えて、納得のいく申告を目指しましょう。